あの時のその人は…[2]

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これはそう、アリスたちがお茶会を終え、そして後片付けをマーチに頼んで屋敷の中へ入った後のマーチのお話…。 マーチは屋敷に帰ると怒っていたが…はたしてこの時マーチに一体何が…? さて、それをこれから見てみることにしよう…――。 「…よしっ!じゃあ、張り切って片付けるかなぁ…」 マーチは服の袖を軽く少しだけ捲し上げ、机の上の片付けにとりかかる。 帽子で出した物でも、のちに残るらしく、残された皿などを台車に移し重ねている。 何事もなく1人で黙々と片付けていたら…ふいにピクリとヤマネが動いた。 そして、モソモソと動いたあとに体を起こして起き上がる。 「ん、ん~……マーチぃ~」 「ん?ヤマネ?なんだ?」 「……マーチママ…いの一番…お手紙………」 ヤマネの声かけに気づけばマーチは振り返り、穏やかな声で問いかけた。 だが、ヤマネのマーチママという言葉を聞くと、ピクリと眉を動かし反応した。 しかし、そのあとに続いた言葉を更に聞き、目を丸くさせる。 「……いの一番…?手紙…?まさか…」 そう呟いた途端、“何か”がマーチに向かって勢いよく飛んできた。 そして、スコーンッ!と効果音が付きそうなくらい小気味良くマーチにヒットした。
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