あの時のその人は…[2]

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「………」 マーチはグシャッ!そう音をたてて、無言で手紙を握り潰した。 手紙には、こう書かれていた… マーチ、アリスについて行ってアリスを助けなさい。詮索は無用です。もし背いたら…わかっていますね? フェブラ そう、素っ気ない文法で書かれていた。 「っち!ふざけやがって。3月ウサギはアリスにはついて行かない。行くものじゃない。なのに…何考えてんだ」 手紙を握り潰した右手を、更に力強く握りしめ、プルプルと震えさせた。 すると…そこに、背後からガサッ!と物音がたった。マーチの背後には…2体のディザイアーの姿があった。 マーチは後ろを振り向かずにドスの聞いた低い声で言う。 「……オレは今、最っ高に不機嫌なんだよ。失せろ」 マーチのその言葉を理解したのか…はたまたその雰囲気に押されたのか……ディザイアーたちは少し後ずさる。 「………もう一度だけしか言わないぞ?失 せ ろ」 更にドスを聞かせた低い声でマーチが言うと…ディザイアーたちは今度こそその場から立ち去っていった。
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