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「………」
マーチはグシャッ!そう音をたてて、無言で手紙を握り潰した。
手紙には、こう書かれていた…
マーチ、アリスについて行ってアリスを助けなさい。詮索は無用です。もし背いたら…わかっていますね?
フェブラ
そう、素っ気ない文法で書かれていた。
「っち!ふざけやがって。3月ウサギはアリスにはついて行かない。行くものじゃない。なのに…何考えてんだ」
手紙を握り潰した右手を、更に力強く握りしめ、プルプルと震えさせた。
すると…そこに、背後からガサッ!と物音がたった。マーチの背後には…2体のディザイアーの姿があった。
マーチは後ろを振り向かずにドスの聞いた低い声で言う。
「……オレは今、最っ高に不機嫌なんだよ。失せろ」
マーチのその言葉を理解したのか…はたまたその雰囲気に押されたのか……ディザイアーたちは少し後ずさる。
「………もう一度だけしか言わないぞ?失 せ ろ」
更にドスを聞かせた低い声でマーチが言うと…ディザイアーたちは今度こそその場から立ち去っていった。
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