3人が本棚に入れています
本棚に追加
家を出るのは明日。
引越先は今の家からは程遠い島。フェリーに数時間揺られてやっと行き着く場所。フェリーってご飯って出るんデスかね?嫌デスよ?ご飯出ないとか。
昼ご飯を食べようと二階から降りてきた透の目の前には、見覚えのある白い固まりが。
「…肉まん?」
机の上には、某コンビニマークの紙に包まれた肉まんが二つあった。
「おかーさん、ご飯はー?」
「テーブルにあるでしょー?」
…昼飯肉まんかい。
いくら忙しいからって昼飯くらい作ってほしいデス!
あったかいの食べたいんデスよぅ!ご飯が食べたいんデスよぅ!
できる事なら親子丼が食べたいんデスぅぅう!!
「あ、チンして食べなさいねー。おいしんだから、そのあんまん」
しかもあんまんかいぃぃぃい!!
「……うぅ、もういいデス…」
もー知らないデス…。ウチのオカンは、私がどっかの天パみたく糖尿にさせるつもりなんデス。
だったら思惑どおり食ってやろうじゃないデスか…!!別に甘い物も嫌いじゃないデスし。
碧はまたアヒルのように口を尖らせながら皿にのったあんまんを電子レンジに押し込んだ。
→
最初のコメントを投稿しよう!