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「ターゲット…三階廊下にて発見」
柱に隠れるようにして、俺の隣にいた金髪の男はそう明るく告げた。
俺もその隣からこっそり廊下を伺い言う
「はいはい。本日のターゲット確認。で、これからどうするんだ?」
いつもの調子でそう聞くと、隣の男はにんまりと笑った。
「そんなの決まってんだろ?そりゃあもちろん、…突撃あるのみだ!」
そうして、構えをとりタイミングを伺うと柱から出る
「きゃあっ!」
「あっと!(←わざと)」
とたんに可愛い悲鳴となんだかむかつく奇声が上がった。二人の人間が曲がり角でぶつかったのだ。
はかったようなシチュエーションの完成だ。いや、実際作ったんだけどね。
「いたぁ………。」
ぶつかった女子の方が床に手をつき、ぶつけた腰をいたそうにさすっていると、その目の前にすっと手が差し出される。
「だいじょうぶかい?きみ?」
「えっ、あ、はい…。」
おずおずとした手つきでその手をとる女子。立ち上がらせてもらったところで、スカートのほこりをはらい終えると彼女は金髪の男に礼をいった。
「ありがとうございま」
しかし、そんな彼女の礼を遮って男は猛烈に話始めた。
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