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「いや~、ごめんね!俺、前を向いてなくてさ。ホントまいったまいった。あっ、俺は2年B組の『守山 零音(もりやま れおん)』!よろしくね。」
「えっ………あの「何?君は2年D組の竹井さん?いやぁ、B組とD組なんて運命感じちゃうな!」
「(どこがだよ…。)」
ものすごくツッコミをいれたい場面ではあったが、今しばらくは静観し続けることにした。
女の子は男………『零音』のペースに押されてひたすらおろおろしているようだ。さきほどから、しきりに何かを話そうとしている。
「あの…あの…」
だが、零音の方はそのことに気づいていないようだ。立ち上がらせる時につかんだままの手にさらに力を込めると
「いや、ここでぶつかったのも何かの運命。まさに俺たち、運命尽くし!始まる恋の予感」
…なにをいってるをだ。暴走し始めてる
「あの…だから…」
「竹井さん!運命の相手、この『守山 零音』とよろしければ、お茶にでも行きませんか!いえ、すぐいきましょう!そして付き合いましょう。ええ、付き合ってくださいっ!」
「その…話を」
「俺は君のことがすきだぁ!」
つかみかからん勢いの零音。と、さすがにそろそろ目を覚まさせにいかないとまずい予感が…
ばしっ!
しかし、乾いた音と共に零音の顔に平手打ちが入る。
「ごっ…ごめんなさ~い!」
そうして、唖然とする零音の前から女の子が泣きながらさっていった。
その様子を見ていた俺はすぐさま、零音のもとに駆け寄った。
「大丈夫か?」
「あの子…」
頬を抑えた零音は呟くようにいった。
「…シャイなんだな。きっと照れ隠しに違いない。」
現実を受け止めないように、必死だった
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