0、雨

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ザァ…ザア… 降り止まない雨。 ザア…ザァ… 降り止まない、雫。 「…グスッ…ウッ…」 その中で泣いている…私。 「…もう…い…やだ…」 見たくない。 見たくない。 見たく…ないのに… どうして? 何故? 何故―…私なの? …仕方ない、仕方ない。 これは、私が望んだ現実だから。 ふと空を見上げる。 目に染みる雨の向こうに、瞬時的に晴れやかな空が見えた-気がした。 そう、ただの錯覚。 私は-…普通の、人間。 …ぼそりと呟いた言葉は耳障りな雨音にかき消されていった。
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