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「そう言えばさ、そろそろだな」 直ぐ近くから聞こえた聞き慣れた声に、俺は相棒である黒龍の背を撫でるのを止めて顔を上げる。 そこには俺と同じように赤龍に跨がる少年がいた。 「何が?」 少年は右の横髪が一房だけ長い紅髪を弄び、ルビーのように紅く美しい瞳を細めた。 「春休み終わるの」 「春休み……休みなんかなかったと思ったが」 「まあまあ。確か今年から姫も学園に通うんだろ?」
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