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そ、そういう話の繋がりなのね。
あたしは、じっとその絵に見入った。
つんと澄ましたような、綺麗な女の子の横顔だった。
憂いを含んだような瞳。
頬は赤くて、でも全体に透明感がある。
美少女…
「花ちゃんを見た時、この絵の女の子だ!と思ったんだよ」
この絵の女の子、ねえ…
えぇっ?!
「あたしがぁ?!アリエナイアリエナイ!!」
この人は一体、突然何を言い出すのやら。
「いや、勿論この絵は昔の絵だし、イギリス人だし…でも、この女の子にそっくりだと思ったんだよ。
スゲー可愛い、俺の理想のまんまじゃん!って」
ひえーーー
そんな、こんな美少女に、あたし似てるわけないじゃん…
という心の中の声が聞こえたのか、
「似てるっつったら似てるんだよ。俺はそう思ったのっ」
と、タカシくんがきっぱり言い切った。
「……あ、ありがと……」
あたしは、かなりびっくりしたけど。
すごく感謝したい気持ちになった。
こんな風にあたしのこと見てくれた人なんて、後にも先にも絶対この人だけだ。
「俺、待つよ」
また画集に視線を落としていたあたしの耳に、タカシくんの言葉が落ちてきた。
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