第1章

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後ろから声がかかった。 「その汚い格好でここに何の様でしょうか?」 ―部長だ。 会社で一番俺の事を扱いてくれていた人だ。…もちろん、嫌みな意味で、だ。 俺は変な汗を額に流しながら振り向く。 「おや、貴方は数日前にクビになった山崎くんではありませんか。」 俺の頭が真っ白になる 「え…クビですか…?」 「そうですよ。貴方は数日前、ここをクビになった。」 耳鳴りが高音で頭に響く 「あれは見物でしたね」 「貴方は頑張っていた気分だったようですが…至らなかったと」 「私達の前で涙を流して去って行ったのですよ」 「覚えて…いらっしゃらないのですか?」 半笑いで俺に言う。
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