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目を真っ赤にしながら俊哉は立ち上がり俺に言った
「絵美はもう居ないんだ。
けど慶は助かったし、まだ生きていけるんだ。
部屋でずっと死んでいないでくれよ」
と言った俊哉は部屋から出て行ってしまった。
そうなのだ。
俺は俺の不注意で俺のせいで親友で有り、親友の婚約者であった倉田絵美を殺してしまった。
今日はそのお葬式なのだ。
しかし本音は事故を引き起こした俺に絵美の両親に合わせる顔が有るわけも無く、行きたくは無かった。しかし本音を通して後の事を考えるとどうも行かない気にはなれなかった。
それにどうせ大人としても社会人としてもここで逃げる事は出来なかった。
俺は動きたがらない体を義務感という見えない鎖で操って家を出た。
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