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 私はとうとう、父に空をねだった。実物を見なければ、この気持ちが収まらない。  父は「うーん……二階だから窓も作れないし……」と呟くと、部屋を出ていった。  後日、有名な画家に描かせたという空の絵が沢山届いた。 画集でみたような空が沢山。  違う。私はこんなものは欲しくない。  これは「空」じゃなくて「絵」でしかない……  初めて外に出たいと思った。  初めて足の鎖がうっとうしく感じた。
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