39人が本棚に入れています
本棚に追加
眠っている彼女を見ながら目を細めた
低い声で「あぁ」といい、彼女を運ぶ
「傷だらけでござるな、屋敷に着いたら手当をしなければ‥」
「あぁ、部屋の手配もしてくれ」
『‥‥っ』
「‥‥?」
『‥あり、がとう‥‥』
かすれそうな声が聞こえた
寝言であろう言葉
その言葉にはしっかりと気持ちがこもっている
ホントに感謝しているのだと分かった
屋敷につくなり女の部下にスノーの着替えをさせ、傷の手当もした
ベッドに眠る彼女は
眠り姫のように心地よく眠っていた
「プリーモ」
「なんだ、アラウディ。彼女について何か分かったのか?」
「スノー、異国の者ということ。街の者からは"雪女""化け物"と言われている、以上だ」
「‥‥雪女?」
「彼女の容姿がそう言わせている原因だろう、ほかにも調べたがとくには‥」
「そうか。ありがとう」
「‥‥あの女、何かある」
扉の方を向くときにアラウディは言った
小さい声だが確かに聞こえた
「そうだな」
私も聞こえるかわからない声で言った
最初のコメントを投稿しよう!