―確執―

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やっとのことでテニスコートに到着した俺は、なるべく宍戸さんの姿が見えないところで、サーブ練習をしていた。 宍戸さんの姿を見てしまうと、自分を抑えられなくなってしまうから。 カゴ1個分のサーブを打ち終わり、準レギュラーが持ってきてくれた2個目のカゴに入っているボールに手を伸ばしたときだった。 『・・・おい。長太郎。』 俺の頭上からは、聞き慣れた声が、あんなにも聞きたいと思っていた声が聞こえてきた。 でも、今は1番聞きたくない声でもあった。
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