―宍戸さんの隠し事―

4/4
前へ
/31ページ
次へ
『恋愛の・・・・相談みたいです』 《カランッ》 俺の手からテニスラケットが滑り落ちた。 慌てて拾い、樺地を見上げる。 樺地は相変わらず顔色ひとつ変えてない。 『なぁ・・・宍戸さんの好きな人って・・・?』 冷静さを装ってみるもやっぱり声は震えたままで、自分が情けなく思えた。 『自分より・・・背の高い人の・・・ようです。』 樺地はきっと俺の気持ちに気付いたのだろう。 気を使うように答えた。 俺は樺地の答えから、宍戸さんと仲良くしている女子を思い浮かべ、言いようのない不安に襲われていた。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加