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火渡
「時間がないから手短に言うよ。」
真剣そうな顔をした火渡を見て、少年も制服の埃を落として立ち上がる。
火渡
「なぜ、君はここで落ちこぼれを演じているんだい?少なくとも君の3人の友達にも勝てる実力はあるだろう?」
その質問をされた少年は……
???
「買い被り過ぎですよ……。人間期待されるとロクなことが無い……。だが……ボソリ」
火渡
「っ!?」
少年はゆっくりと屋上の入口に向かって歩いていき、火渡の横を通り過ぎる瞬間、なにかを呟く。
その呟きを聞いた瞬間、火渡は少し驚愕する。
???
「それじゃ………、俺は行くんで……。」
そんな火渡に少年は顔もピクリともさせずに屋上から出ていった。
そして、少しの間屋上に沈黙が降り……
火渡
「………彼は……、何を背負っているんだ……。」
火渡の呟きは風に乗って消えて行った……
ザワザワ……
1000人は入るであろう体育館に赤や青、黄色等の制服に身を包んだ生徒達が隣や周りにいる人と雑談をしているところに……
???2
『は~い。皆さん。話を止めてくださいね~。』
壇上にたった女性がザワザワとしている生徒達に注意を促す。
そして、生徒達が静かになると……
???2
『はい。まずは自己紹介をしますか。私は、“御堂咲哉(ミドウ サクヤ)”と言います。』
壇上にたった女性はマイクを通して自己紹介を行う。
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