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勇二達三人はリーベンヌに伴われ今は城門を抜けて、城の王の間に向かっていた。
今歩いている歴史に置き忘れてる様な感じの城や、中世の服装で自分の側を通り過ぎて行く人々を目の当たりにしても自分が普通でいれる事に勇二は苦笑した。
唯一、中世的で無いのはさっき自分が変化した音戦士と呼ばれた状態の姿が、中世の騎士さながらに城門を守っているのが何と無く異質であったが、今は逆に現実感を覚える光景であった。
美紗はさっきまでの緊張も解けて、今はこの風光明媚なドニントンの世界を見て。
「わぁ~綺麗」
「凄~~い」
等とどっかの観光客の様に歓声を上げてる姿に勇二は苦笑する以外に無かった。
「凄い素敵な場所ですよねッ」
と美紗が勇二の袖を掴みながら尋ねてきた。
「え・えぇ・・・そうですね」
と勇二は固まりながら答えるが、美紗は構わずに
「葛城サン固い固い。
もっとリラックスしなきゃ~」
と城迄歩く同中ですっかり旅の仲間的扱いになっていた。
リーベンヌは苦笑を浮かべながらちらりと勇二を見るだけで、今は赤絨毯敷かれた上を黙々と歩いていた。
先程リーベンヌが絶句していたメタリングの説明も無いままであったので、美紗とのやり取りから逃げる様にリーベンヌにメタリングの事を尋ねた。
「なぁ、さっきリーベンヌが言ってたメタリングって何なんだ?」
リーベンヌはその足を止める事無く
「もうすぐ王の間だから、そこで説明をするよ。
有り得無い事だったからねメタリングを介さずに音戦士へと変化出来たのは」
と微笑を浮かべ勇二を見た。
「まぁ・・・俺は依頼を果たせればいいだけなんだが、一応後学の為にと思ってな」
と言って勇二は笑った。
「減点1!!!、依頼も解るけど、可愛い女の子相手に冷たすぎますッ」
と美紗は勇二に向けて唇を尖らせ人差し指を向けた。
リーベンヌは笑いを堪えた様な感じで
「着いたよ、ここが王の間だ」
と扉の衛兵に片手を上げ王の間の扉を空けて貰い三人は中に入った。
赤絨毯の先の玉座には勇二の想像と違う姿があった。
「ミイフーヌ様、やはり予想通りでした」
とリーベンヌは拝礼した。
「ご苦労様でした、リーベンヌ殿。
平和な暮らしをしていたアナタを動かしてしまって・・・先代女王に申し訳無い」
とまだ少女の様な声と姿でオレンジ色の髪の姿がリーベンヌに頭を下げた。
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