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「御懸念無く姫。
彼女も何かあれば協力する気です」
とリーベンヌはミイフーヌに答えた。
「可愛い女の子ですね」
と美紗が小声で勇二に囁いた。
「えぇ・・・」
と勇二はバツ悪そうに答えると
「減点2」
と告げる美紗に暗然とした気持ちになりつつ固い笑顔を浮かべるしか出来なかった。
「そちらの方々は?」
とミイフーヌがこちらを見たので、勇二と美紗は慌てて拝礼した。
「どうやら、人間界からドニントンに紛れ込んだみたいですが、原因はやはりギルダートだと思われます」
とリーベンヌが答えた。
「そうですか・・・ギルダートはやはり何かを狙っている噂はこれで真実になりましたね。
まさか・・・転移の魔具を既にギルダートは手に入れた・・・」
「そのまさかです。
しかも奴は禁忌の造魔精製を行ってる様ですね」
とリーベンヌは勇二から聞いた経緯を元にミイフーヌに説明していた。
「ギルダートの真の狙いとは一体・・・」
と二人の話を遮る様に勇二が
「俺がキメェ化け物倒す前に、そのギルダートって奴が彼女を依り代のどうのこうの言ってたぜ・・・イヤ・・・言ってました」
と恐縮しながら美紗を見た。
「わ・私?」
と美紗は困惑していた。
「成る程・・・人間界の影響を受け無い造魔精製。
そして、依り代として人間を転移の魔具で造魔を送り込み拉致してきたという事か・・・ただ奴が何を狙い何を召喚しようかまでは不明だが・・・」
とリーベンヌは独り言の様に呟いた。
「一刻も早く、ギルダートを止め無ければ。
ドニントンも人間界も大変な事になる・・・」
ミイフーヌも沈思してしまった。
「そして、君はメタリング無しで音戦士へと変化した」
とリーベンヌは勇二を見た。
「あぁ、キメェ化け物じゃ無くリッガーとか言う奴と戦ってる時に突然音戦士とか言う奴に変わって・・・あん時は死ぬかと思ったが」
と勇二は西京大学での出来事を思い出しながらリーベンヌに告げた。
「・・・もう一度さっきの姿を強く念じてくれないか」
とリーベンヌに促されるまま青い装甲に包まれた自分をイメージした。
すると胸の辺りからハニカム状の光が発せられたが、青い音戦士に変化する事は無かった。
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