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「変化の粒子は発生している・・・我々のメタリングとは形状が違うが」
とミイフーヌもリーベンヌもハニカムの光が発生した勇二の胸を見つめた。
「ん?」
ふと思い出した様に自分が付けていた、シルバークロスのネックレスを取りだした。
「あれ?青くなってる」
と勇二がネックレスをまじまじと見ると、クロスの真ん中に埋め込まれていた、ダイヤの宝石が青く輝いていた。
「成る程、原因は不明だがそのネックレスが媒介となり君を音戦士へと変えたのか。
すまないが、何か言葉をそのネックレスに発しながら、音戦士のイメージを浮かべてくれないか」
勇二は「言葉って・・・」と思いつつ
青く色付いたクロスに向け「変身???」
と声を発した。
すると今度はハニカム状の青い光が勇二の身体を万遍無く包み、その光が青い装甲となり勇二を包んで、音戦士へと姿を変えた。
「おお!!」
「不思議だわ」
「え~~?」
「マジかよ」
と四人の感想は統一感が無かったが、皆一様に驚いていた。
「有り得無い事だけど、人間界でもメタリングに似た物造れるのかしら?」
とミイフーヌは勇二を見た。
「このアクセは社長の使ってた物・・・あ?」
とリッガーと呼ばれた化け物と闘っていた時に樋口の声が聞こえた事を思い出していた。
樋口がいつも身に付けていて樋口が亡くなった時に、受け継いだネックレスだった。
樋口に追い付く様にと願いを込めて身に付けていた物が、土壇場で勇二を救ってくれた事に勇二は感謝した。
「そう・・・このネックレスは俺が追いつきたい人の形見だ・・・いやいや、形見です」
とミイフーヌに告げた。
ミイフーヌは笑いながら
「そうですか・・・アナタの大切な人のだったんですね。
言葉は普通でいいですよ。
それより、アナタ達を巻き込んだせめてもの償いに時間があるなら晩餐会を開いた後に元の世界へ送ろうと思うのですが、どうでしょうか?」
とミイフーヌは勇二と美紗に尋ねた。
「どうしますか?」
と碧が心配してるだろうから早く帰るべきだと思いながら美紗に尋ねると
「それってご馳走出るんですか?」
と美紗は屈託無くミイフーヌに尋ねた。
「ええ、ドニントンで随一のシェフが腕を奮いますわ」
とミイフーヌは笑顔で答えた。
「じゃあ、頂いちゃいます」
と美紗が答えたので、晩餐会の出席が決まったのであった。
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