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事務所へ戻って直ぐに二条に電話を掛け事の顛末を話した。
二条は奇妙な出来事にも関わらず、じっくりと勇二の説明を聞いていた。
二年前の赤い音戦士となった城戸一樹と共闘したと二条から聞かされたのには、勇二も驚くばかりであった。
明日、二条が事務所に来てより詳しい話を聞くという事になった。
勇二はキーボードから手を離し思い切り背伸びした。
そして首から自分を音戦士へと変えたネックレスを外し、ジーンズのポケットからドニントンの前女王ロクサーヌから託されたメタリングと呼ばれてた金色の指輪を机に並べてみた。
樋口から受け継いだネックレスの宝石は青く光を放ち、ロクサーヌから託されたメタリングの宝石は赤い光を放っていた。
「彼を巻き込む気は無いけど、ギルダートが転移の魔具を使いアナタ達の世界で何かを企む以上、彼や彼の回りに何かあった時の力に・・・と伝えてくれるかしら?」
とドニントンでロクサーヌにメタリングを託されはしたが、二条によると城戸一樹は今は結婚してて子供が居るという話だったので、二条から一樹の住所は聞いていたが平和な暮らしを破る戦いの要因であるメタリングを一樹に渡すのは少し躊躇いがあった。
「本当・・・厄介な依頼だな」
と思わず独り言が漏れた。
まぁ、全ては明日だな。
と勇二はパソコンの電源を落として、自宅へと戻る事にした。
一方、勇二と別れた後に美紗の部屋へ碧が訪れていた。
碧は美紗が憔悴する事も無く元気そうだったので安心していた。
「本当ッ心配したんだからね」
「ゴメン・・・てか、私はなーんも悪く無いよ」
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