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「ええ、解りました。
城戸さんには俺から話しときます」
「ああ、頼む。
その音戦士になれる同士が話した方が早いだろうしな」
そう言って二条は立ち上がり
「俺も特殊事案室を復活させなきゃな。
しかし、久々にフリーダムと仕事するぞ」
と勇二に笑みを浮かべた。
「え?社長と何かでコラボしてたんですか? 俺聞いてないや」
と勇二は驚いて二条に尋ねた。
「あぁ、色々とな。
今度ゆっくりと話すよ」
と言って二条は事務所を出て行った。
勇二は二条を見送りながら、樋口は一体どれだけの人を救って来たんだ?
と思いながら受け継いだネックレスを手に取り眺めていた。
碧と美紗は合流して二人は碧の車でフリーダムへ向かっていた。
合流するなり美紗が開口一番に
「気合い入ってるねぇ~」
と碧の今日のスタイルを見て茶化してきた。
「美紗もじゃん・・・」
と軽く膨れっ面でハンドルを握りながら答えた。
「まぁお互い様って所かぁ~葛城さんはいい素材だけど、そのお友達がどんな素材か気になる所だけどね」
とニッと笑顔浮かべて碧を見た。
「素材て・・・」
と語るいつも以上な巻き髪でつけ睫毛も増量な美紗は獣の様に思えて来た。
それでいて美紗が奏でるピアノは繊細なトーンを奏でる事が出来るから不思議だと思った。
「やっぱりコンテスト前だしさ~必勝祈願的に、いい素材と楽しみたいし」
「美紗らしいよね。
私はある意味では羨ましいかも・・・その行動力」
「でも私も碧の純粋な所は羨ましかったりするよ」
「そう?」
「って会う前からネガティブになってもしょうが無いね」
と美紗は笑った。
「そうだよね、私は私なりに楽しむよ~折角の機会だし。
てかチケット持って来てくれた?」
と碧は美紗に尋ねた。
美紗はポーチから二枚のチケットを取り出して
「あるよ~てか、応援に来てくれたらいいよね葛城サン」
「うんッ・・・私の唄と美紗の演奏を聞いて欲しいし」
「だよ~、要らない素振り見せたら私が押し付けるから任せといて」
「ハハハ」
と苦笑する碧が運転する車はもうすぐでフリーダムに着く距離であった。
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