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「また・・・奴達か」
と勇二は辺りを見渡した。
すると墓地の階段の方で何も無い空間から、昨日見た造魔とは違う姿の造魔が上半身を乗り出した様な感じで現れた。
そして、その造魔はゆっくりと一番近い墓石に近づいて行った。
背中には籠を背負い、右手にはドリルの様な物体が付き、左手にはスコップの様な形で、昨日倒したリッガーと言う造魔とは違い、身体には鎧を付けていた。
そして、その造魔は手近な墓石を蹴り飛ばし右手のドリルで墓台を掘り始めた。
「おいコラァ~罰当たるぞ」
と造魔に叫び、勇二は懐からネックレスを取り出して「変身」
と叫んだ。
青いハニカム状の光がネックレスから発生し、勇二の身体を包み光が晴れてゆくと、昨夜の音戦士へと勇二を変えた。
だが造魔は大して気にも止めずに墓台を掘りつづけていた。
「おいおい無視かよ」
と勇二は造魔の元へ走って行った。
そして造魔を蹴りつけた。
造魔はゆっくりと勇二に振り返り
「お・・・俺の邪魔・・・する・・・お前消す」
と右手の高速回転するドリルを勇二に向けた。
「ふっ・・・やれるもんならなーッ」
と勇二は造魔が突き出してくるドリルを避けながら、カウンター気味にボディーに拳を入れた。
やはり、先日戦ったリッガーと違い鎧を付けてる分、打撃の威力が完全に伝わって無い様な感じだった。
造魔は更に左手の鋭い刃が着いたスコップでの攻撃をコンビネーションに加え、勇二は防戦一方となってしまった。
「うをれの~仕事邪魔ぁぁぁする消すぅぅ」
「へ~ッテメェ喋れるんだな?
だがしつこい」
と吐き捨てて勇二は一旦、造魔から距離を置いて、身構えた。
造魔に確実な攻撃を与えるには鎧からはみ出してる部位に打撃を打ち込むしか無いのだが、この造魔は知能は大した事無い感じだが、戦闘力はリッガーよりも上だった。
造魔はスコップ状の刃を剣の様に延長させながら、勇二の方へゆっくりと近づいて来た。
「ちっ、リーチ伸びやがった。
俺も何か武器は無いのかよ」
と思いながらも勇二は造魔が振るった剣を避けた。
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