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造魔は尚も追撃し、勇二は避け損ねたドリルを胸の装甲に受けてしまった。
「キィィィィン」
と金属的な音が響き、造魔のドリルが勇二の装甲を穿ち始めた。
「やべぇ・・・」
と装甲をドリルで削られ始めて焦る中、勇二の頭の中に直感的に銃のイメージが受かんだ。
すると両手をハニカム状の青い光が包み、その両手には銃が握られていた。
形状は軍用ハンドガンに似ている様で違う様な形だった。
「武器??? よし!!」
勇二は自分の装甲を穿つ事に夢中になってる造魔の身体へ銃を突き付けて引き金を弾いた。
零距離射撃で「ビシュッ」という音を放ち造魔の鎧を二つの緑の光が貫いた。
「痛やぁぁぁぁぁ」
と造魔は悲鳴を上げ、勇二の身体からドリルを抜いた。
「緑の光?」
てっきり渇いた銃声と実弾が出ると思っていた勇二は手にした銃をまじまじと見た。
勇二に打たれた造魔は一瞬怯んだが、また勇二に向き直り
「ぉお俺の仕事ァぁあァ」
と叫び勇二に剣を振りかぶって突進してきた。
「止まれ!」
と造魔に叫び勇二は銃口を造魔の頭部と胸部に狙いを定めた。
造魔は勇二の制止を聞く事も無かった。
「ちッ」
と勇二は短く舌打ちして、引き金を引いた。
二つの緑の光は一瞬で造魔の頭部を吹き飛ばし、胸部に穴を開けた。
そして、リッガーを倒した時と同様に肉片を撒き散らして造魔は消滅した。
「あいつが墓荒らしの犯人か・・・取り敢えず片付けたが、これでギルダートの狙いは終わる訳無いな」
と誰も居ない墓地の中、音戦士となった状態を解除して、二条へ事の顛末を話すべく携帯を手に取った時、携帯のバイブが震えた。
誰からか確認せずに通話に出た。
「はい」
「葛城君、今美紗タンと碧タンでカラオケやってるけどさ~終わったらゲーセン行くって流れになってさ~葛城君も用事終わったら来てね~」
と平和そのものな森川の電話に、勇二は拍子抜けした。
「・・・多分、行け無いと思うから二人にヨロシクと言っといてくれ。
後コンテストにはなるべく行く様に努力すると伝えてな」
それだけ言うと、勇二は通話を一方的に切った。
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