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勇二は森川との電話の後に二条に電話を掛けた。
二人の推測通り、墓荒らしの犯人は造魔であったが、その造魔を片付けた事で西京の脅威がより確実となっただけで、脅威が解決した訳でも無かった。
そしてまた、人骨求めて造魔が西京霊園に現れる可能性はより高くなった訳でもあった。
二条が西京霊園を重点的にマークしてくれる様に人員を手配してくれているので、何か動きがあれば自分も速動ける事が出来るが、あくまでも対処療法に過ぎ無かった。
二条との通話を終え、勇二はこの脅威の根本を断つにはやはり二年前の戦いを終わらせた、城戸一樹と会って協力を仰ぐしか無いと思った。
まだ昼下がりだったので、一樹が勤務して居るという西京酒点へ向け、勇二はバイクを走らせた。
西京霊園からバイク飛ばして20分程で目指す西京酒店へ到着した。
城戸一樹に託されたメタリングの件で用事が無ければ、酒屋など勇二にとっては縁が無い場所であった。
広目の駐車場へバイクを停め、缶ビールのケースが積んである店内入口に向け歩きだした。
自動ドアを抜け店内へ入るとレジ番をしていた若い女と三十代位の髪を短く刈った男が
「いらっしゃいませ」
と勇二に声を掛けた。
勇二は男に近づき尋ねた。
「お忙しい所すいません。
城戸一樹さんはいらっしゃいますか?」
「今配達出てますが、失礼ですがどちら様でしょうか?」
「あぁ・・・申し訳ありません、自己紹介もしないで」
と言って勇二は男に名刺を差し出した。
男は名刺を眺めながら
「・・・何でも屋・・・フリーダム
失礼ですがどういった御用件でしょうか?」
と軽く男が警戒するのも無理は無いと思えた。
「ある人から城戸さんに渡して欲しいと頼まれた物がありまして、お伺いしたのですが。
今城戸さんは出られてるんですね。
もしよろしかったら、城戸さん戻られたら名刺渡して頂けないでしょうか?」
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