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「まぁ、色々考えてもしゃあ無いか。
やる事やるだけだ。
今度は一人じゃ無いし」
と思いながら、信号が黄色になったのでブレーキペダルを踏み車を止め、信号が変わるのを待っていた。
勇二から協力の要請を受けたが、一樹は快諾したのであった。
「久々にロクサーヌと話してみるかな? 」
と思う内に信号が青に変わったので、一樹はサイドブレーキを解除し自宅へと車を走らせた。
ハンドルを握りながら思う事は二年前の出来事であった。
勇二は今は自宅でベッドに転びながら、一樹から聞いた情報を思い浮かべていた。
一樹によれば、霊園で造魔と戦った時に突如顕れた二丁の銃の他にも、各々が持つ資質による究極技があるという事だった。
「俺なんてギターみたいな武器で・・・究極技は雄叫びだし」
と苦笑した一樹であったが、成る程、自分の武器が銃なので各々に応じた武器なのだろうなと納得出来た。
何でも屋という稼業だったので、銃撃戦に遭遇した事もあったがその経験が、銃という形になって顕れたという事だろう。
究極技については、近い内に一樹と会った時に探るという事になっていた。
一樹とは携帯番号とメールアドレスを交換していたので、何かあればお互いに連絡するという事にしていた。
テレビは点けっぱなしにしていたので、何と無く眺めていた。
ヨーロッパで株が暴落したとか、西京再開発計画を巡り大手建設会社の談合が発覚した等と流れるトピックはいつもの現実であった。
何でも屋の性なのか、西京開発計画の裏に何があったのか自分なりに調べてみるか?とベッドから起き上がりパソコンを置いている机に向かおうとした時、テーブルの上の携帯電話が鳴った。
「誰だ?」
と標準着信音だったので、小窓を確認すると
田原碧と名前が浮かんでいた。
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