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勇二は仕事モードでは無く普通な感じで電話に出た。
「はい、どうしたのこんな時間に?」
碧も昼に別れた時と同様にリラックスした様子で
「うん、今日はありがとうってお礼言いたくて。
葛城さん結局カラオケもゲーセンも来なかったし」
「・・・ゴメン、ちょっと別の仕事だったから。
でも、森川が盛り上げたでしょ?アニソンで」
「うん、森川さん・・・はしゃいでて楽しそうだったし、私も美紗も楽しかったよ」
「俺が居なくても大丈夫だし、カラオケは苦手だから空気悪くしてたかも」
と意外な勇二の告白に碧は驚いた様子で
「えぇ~?意外だよ~
葛城さんって見た感じ、何でもサラっとこなしそうだけど・・・でも、何かそういうギャップって可愛いかも」
「・・・可愛い?」
と裏返った声で勇二は答えたが、このままだとどんどん自分が色々突っ込まれそうだったので
「今度の碧さんと美紗さんのコンテストは応援に行ける様に努力するね」
と話題を変えた。
「森川さんからも聞いたけど、葛城さんが来てくれるなら凄い嬉しいよ~
私と美紗の音を聞いて欲しいし、それに頑張れるから」
「うん、俺も聞いてみたいし応援してるから」
「ありがとう、そして依頼を解決してくれてありがとうございました」
「いえいえ、不思議な展開だったけど、二人がコンテストに間に合って良かった。
当日を楽しみにしてるから。
じゃ、おやすみなさい」
「うん・・・葛城さんも身体に気をつけてね。
じゃあ・・・おやすみなさい」と互いに挨拶し会話を終わらせた。
携帯を手に握る勇二の表情はいつもより少し嬉しそうであった。
同じ頃。
一樹は自宅へ戻り、晩御飯を食べている所であった。
食卓には深雪が作った、生ハムと玉葱のマリネとハンバーグが並び、一樹は美味そうな表情を浮かべて食べていた。
「優音はミルク飲んだの?」
「うん、30分前位にね」
と深雪はベビーベッドで
「あーあー」
と声を上げながら熊の縫いぐるみで遊ぶ優音を優しい眼差しで見つめながら答えた。
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