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「城戸さんって・・・赤い戦士とかいう?
じゃあ今回もその人に協力要請をするんですか?」
と高浦が二条に尋ねた。
「いや、現時点では考えて無いが、状況によっては協力仰がなきゃいかんかもな。
フリーダムの葛城が頑張ってくれて早速怪物を一体撃破したみたいだが、本来は彼等みたいな民間人じゃ無く、俺達が止めなきゃいけないんだがな」
「そ・そうですね、一応俺も頑張ってみます」
と弱気な台詞を吐く高浦の背中を二条はバシっと叩き
「始まる前からビビってんじゃ無いぞ~。」
「は・はい」
「まぁ~明日からの無事を祝ってラーメンでも食いに行くか?
紫の背脂豚骨でよきゃ奢ってやっから気合い入れてけや」
と二条は高浦に笑いかけた。
一樹と深雪は風呂上がって優音を寝かして、紅茶を飲みながら寛いでいた。
風呂に入る前に、一樹はまたこの街に危機が訪れている事を伝え、自分が音戦士となり戦う意思を伝えたが、深雪は迷う事無く
「そんな一樹だからこそ、私は好きなの。
そしてそれが私や優音を守る事に繋がるわ」
と答え、一樹の予想以上に早く話は終わった。
一つは二年前の戦いが終わった後に、深雪と再開した時に全て話した事も、今回の深雪の速答に繋がったのだろうと思えた。
深海生物のドキュメント番組を二人で眺めていると、不意に深雪が膝に「ニャァ」と猫の鳴き真似をしながら頭を載せて来た。
「猫ちゃんは俺が今回の戦い頑張ったらお小遣いアップ考えてくれますか?」
と優しい眼差しで深雪に問い掛けた。
「無事に終わらせてからの話だニャァ」
「そりゃそうだな。
査定アップを確約しない所が深雪らしいが」
と言って一樹は笑った。
「小猫は気まぐれだニャァ」
と深雪も笑った。
勇二も一樹も二条も、それぞれに違う形の平和な夜を過ごしていた。
そして皆一様に何かを守る為の戦いを決意した夜でもあった。
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