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そして数日後、時はあっという間に過ぎて、碧と美紗のコンテスト当日となっていた。
この数日は西京霊園や、その他のどこにも造魔の動きは無かった。
勇二はあれから庭の草刈りという依頼を一件受けただけで、特にどうという事も無い日々であった。
空いた時間で西京霊園に急遽作られた、SATが詰めているプレハブ小屋に二条を尋ねて行ったが、二条に麦茶を馳走になるという平和な出来事があったのみであった。
唯一進展があったとすれば、とある夜に人気無い海岸で城戸一樹と共に音戦士となり、自分の能力を試して現時点での自分の能力を確認出来た事であった。
中でも究極音技とかいう物は思いの他高威力なのには自分でも驚くばかりであった。
「まぁ、これでいつ造魔が来ても大丈夫だな。
だが・・・今日は来るなよ」
と願いながら、勇二は朝食を採っているのであった。
森川とはコンテスト会場である西京パブリックホールの前で待ち合わせという事になっていた。
2000人位入るキャパがあり、今日は予選を勝ち抜いた30組が出場という事だったし、協賛は大手レコード会社のSANYとA-REXが名を連ねていて、審査員も業界関係者だったので改めて、碧と美紗のレベルの高さに勇二は少し驚いていた。
森川のメールで
「碧タンと美紗タンの歌は凄いよ😍
もう💦一発で💓
聞き惚れちゃったしo(^-^)o
メタルきちがい😱の葛城君も認める👍と思うから」
とアニソンメインの森川にそこまで言わせる二人・・・リードヴォーカルの碧の歌声にひいき目では無く単純に興味を覚えた。
その歌声を聞く迄後3時間弱、勇二は朝食を食べ終えて弾む気持ちでシャワーを浴びる準備を始めた。
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