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勇二と森川はホール内で様々な出演者達の演奏を聴いていた。
ロックやポップスやR&B等多種多様なバンドがステージに立ったが、皆予選を勝ち抜いただけあって演奏力や楽曲の水準は流石と思わせる物があった。
「二人の出番ってまだかな?」
と勇二はプログラムを持つ森川に尋ねた。
「今garbage dog'sってバンドだから・・・swe-two・・・次だよ」
「おお、次か~二人とも大丈夫だろうか・・・」
と自分の事の様に焦る勇二を見るのは、森川は初めてだった。
「大丈夫だって、つか葛城君が出る訳じゃ無いし」
と森川は笑った。
「そうだな・・・確かに」
と言って勇二は、パンクっぽい8ビートのリズムを聴きながら碧達の登場を待っていた。
一方舞台袖では碧と美紗が自分達の出番を待っていた。
いつもは陽気でテンション高い美紗も、本気モードに入っているので口数は少なかった。
やがて会場の方で今出演しているバンドの演奏が終了し、会場では拍手が沸き起こっていた。
「それではgarbage dog'sの皆さんありがとうございました~」
と司会が告げ、ステージに幕が降り、演奏を終えたgarbage dog'sのメンバー達が
「マジ緊張した」
「てかソロをミスったぁ~」等と言いながら、舞台袖から消えていった。
舞台にはローディが美紗が使う2台のキーボードのセッティングを始めた。
「いよいよだね」
「うんッ、後悔無い様に思いっきりぶつけよう」
と二人は手と手をタッチさせ出番を待った。
程なく準備は完了し
「続いては二人組のユニット、swe-twoのお二人で~す」
と司会が告げると幕がゆっくりと開いて行った。
碧と美紗は目と目で合図して頷き、スポットライトが照らすステージへと歩いて行った。
会場には拍手が沸き起こり今まで経験した事の無い観客の数だったが、碧も美紗も緊張感はまるで感じられ無かった。
「え~今回歌われる曲のテーマは?」
と司会がマイクを碧に向け尋ねた。
「この曲は離れた二人だけど想いは同じ方を向いてるという事をテーマにしています」
と碧は凜とした声音で答えた。
「そうですか。
中々深いテーマですね~
それではどうぞ
swe-twoでsee」
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