#05 胎動

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一樹は勇二からメールを貰い、時間短縮の為に空を飛びこの場所へ向かうと、数体の造魔に囲まれて攻撃を受けている勇二の姿と、距離を開け銃を構えている二条達の元へ走る造魔の姿が見えたので、背中の翼から四基の遠隔兵装ウイングを射出し、勇二の包囲を解き、二条達の元へ向かう造魔を討つ事は出来無かったが、牽制は出来た。 そして、一樹は包囲から脱した勇二の元へ向かった。 「大丈夫か?葛城君」 「ええ・・・城戸さんのおかげで。 ただ敵の数が多くて」 と勇二はまたも造魔を撃ち抜きながら一樹に答えた。 「そうだな・・・ちと多過ぎるから片付けてくる。 葛城君はアイツを」 と一樹は一本角の造魔を指差した。 「了解」 と答え、勇二は一本角の造魔の元へ向かった。 「さて、俺も片付けるか」 と一樹は右手を宙にかざした。 すると虹色の光が集まり、その光が爆ぜるとギター型の武器がその手に現れた。 「フライングVXよ、久々だが頼むぜ」 とフライングVXを腰のアタッチメントに装着し、ギター型のネック部を引き抜き光りの刃を発振させた。 そして背中の翼を後方に突き出して 「地獄行きのショーへようこそ」 と声を上げ、造魔達へ目に見えない驚異的スピードで突進した。 「馬鹿な・・・」 と一本角の造魔は勇二の攻撃を避けながら、赤い音戦士が、自分の目で捕捉出来ない速さで、しかも10秒足らずで残りの造魔を全滅させた事に驚いていた。 「ぼーっとしてんじゃねぇ」 と虚に取られた隙を勇二の射撃に撃たれ、少しのダメージを一本角の造魔は受けた。 「くっ・・・情勢は不利か。 だが、まぁいい。 目的は果たした、次は貴様達を消す」 と言葉を残し、一本角の造魔は一瞬でその姿を消した。 「くそ、逃げられた・・・ しかし、これで目的を果たした? 骨じゃ無かったのか?」 と勇二は今回、多数の造魔を引き連れてここに現れた理由が解らなかった。 「奴は消えたんだ?」 と歩きながら変身解除した一樹が勇二の元へ近付いて来た。 「ええ、でも目的は達成したと言ってました」 と一樹に答え、勇二は変身解除した。
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