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喫茶店で紅茶とスイーツを楽しんだ二人は、今は喫茶店を出て待ち合わせ場所であった西京海浜公園へ向かい、肩を並べて海沿いの道を歩いていた。
喫茶店での会話も、思った以上にスムーズに話せていたのは勇二には驚きであった。
お互いの小さい頃の話や、碧の夢、勇二の仕事内容等を話す内に、あっという間に二時間位過ぎているという感じだった。
「葛城さん」
と碧が勇二の方を見た。
「うん?」
「・・・私も美紗も葛城さんのおかげで、夢の第一歩を踏みだせたけど・・・これで葛城さんとはお別れなのかな?」
「・・・俺は、すっかり二人のファンになっちゃったけど、碧さんや美紗さんが迷惑じゃなけゃ、またこうしてお茶とかしたいな?
とは思ってるよ」
と勇二は若干照れ気味に碧に答えた。
「本当に?私凄い嬉しいよ。
何か依頼終わったら、葛城さんから連絡来ないのかな?
って思ってたから」
「基本はそうなんだけど・・・ってか碧さんは可愛いんだしさぁ、俺みたいな退屈な男で時間浪費しなくても、もっと素敵な男と楽しい時間過ごした方が良くない?」
「そっくりそのままお返しします」
と言って碧は笑った。
そうこうする内に、二人はバイクと車を停めた駐車場へと着いていた。
「今日は楽しかったよ。
葛城さんの事、少し知れたし」
「俺もだよ。
碧さんが意外とドジって事も解ったし」
と勇二は笑った。
「言ったなぁ~」
と碧も笑った。
「でも、碧さんの小さい時からの夢が叶って本当に良かった。
おめでとうね」
「ありがとう。
葛城さんのおかげだよ。
・・・また会ってね、約束だよ」
と碧は勇二に小指を差し出した。
「うん。
ゆびきりげんまん・・・嘘ついたらテキーラ飲ます、ゆびきった」
と勇二は歌い笑った。
「ふふ・・・お酒苦手だから、破れないよ~この約束は」
「破らないから大丈夫。
じゃ、今日はおやすみなさい」
「うん、おやすみなさい」
と二人は手を振り別れた。
バイクの元へ向かう勇二も、車の元へ向かう碧も、互いの表情は幸福そうだった。
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