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【翌日】
二条は古村インダストリーという会社の応接室のソファーに座っていた。
昨日、西京霊園の詰め所に居る時に署長から呼ばれ、翌日ここを訪れるようにと言われ、やたら座り心地の良いソファーに座っているのであった。
「いやぁ~お待たせしました~」
と作業着に身を包んだ、小柄な五十代位の男が応接室に入って来た。
「いえいえ私も昨日署長から、今日ここに来る様に言われて来てるに過ぎませんから、お気遣い無く」
と二条はソファーから立ち上がり作業服の男に軽く会釈した。
「まぁ~まずは、私共の会社が何をやってるかはご存知ですよね?」
と二条をソファーへ座る様に促し尋ねた。
「ええ、ロボット技術ではかなりの技術力があるという程度の情報ですが。
もしかして、失礼ですがあなたがあの古村社長なんですか?」
「こんな格好ですからね。
私は現場仕事しか出来ない、駄目社長ですが、従業員達がしっかりしてるから、何とか社長をやらせて貰ってるって感じです」
と古村は豪快に笑った。
「それで、二条さん今回署長があなたをここに来させた原因は解りますか?」
「いえ・・・署長は行けば解るとしか」
古村はニヤリと笑って
「石丸らしい。
二条さん・・・あなたは怪物と戦っているらしいですね?」
「署長をご存知だったんですか?」
と二条は多少驚いていた。
「ええ、彼とは大学以来の悪友で、最近は昔の見る影も無く頭の毛枯れ果てましたがね。
っと、話が横道に逸れましたが、まぁ石丸はあなたが怪物と再び戦う事になったので、我社で現在、試作段階のパワードスーツをあなたの助けとなる様にと、私に相談したという経緯なんですね」
「パワードスーツ・・・って一体どんな?」
と二条は困惑気味に古村に尋ねた。
「まぁ、とある開発の副産物みたいな物ですが、平たく言えば自身の身に着ける未来の鎧みたいな物ですね」
「ほ~」
と二条は勇二や一樹が変身した音戦士の状態を思い浮かべていた。
「ま、論より証拠、早速見に行きましょうか」
と古村は二条を促して、パワードスーツと呼ばれた物を見る為に、応接室を出て二人は工場の方へと向かった。
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