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同じ頃、ドニントンの外れにある忘れさられた様な祠に、二体の造魔が現れていた。
そして、祠の中にある祭壇にある0から9迄の数字があるボタンを造魔は押し始めた。
「85635214796352」
とギルダートによって伝えられた番号を造魔が入力すると、祭壇は重い音を立てながら二つに割れ、その中から半分に割れた冠の様な物が現れた。
「ディィ~ギルダート様の言ったとぼりだぁぁあ。
デスティアラの半分らぁぁ」
「ウィ、任務完了らぁ~
ニャラ帰るとしょぉぉお」
「ディィ~りょぼぉかい」
とデスティアラを手にした造魔は何事か呟くと、空間転移の穴が拡がり二体の造魔は祠から姿を消した。
「大変です」
とドニントン城の王の間に伝令が急ぎ足で、忘れさられた祠での異変を伝えに来た。
「どうしたのです?」
とミイフーヌが伝令に尋ねた。
「南の祠にて異変の知らせを受け、斥候隊が祠に向かうと番兵は消え、祠内部にある祭壇の封印が解かれていました」
「・・・そうですか、解りました」
と報告を受けたミイフーヌは伝令を下がらせた。
「くそ、俺達の警備が手薄な所を衝いてくるとは」
とムーアックは吐き捨てる様に呻いた。
「ああ、やられたな。
だが、南の祠に封印されてるのは死の冠で、しかも片割れしか無い筈だが・・・
それに死の冠に纏わる話は伝説みたいな物で、実際に存在するとは」
とリーベンヌはムーアックに答えた。
「いや・・・
もう半分の死の冠も存在する筈です。
ドニントンでは無く人間界に。
そして、ドニントンの死の冠の封印が解かれたという事は・・・ギルダートは人間界に封印されている死の冠の場所を特定した可能性が高いですね」
「しかし、ギルダートは死の冠を集めて何をする気なんです?」
とムーアックはミイフーヌやリーベンヌに尋ねた。
「死の冠に選ばれし乙女が死の冠を被りし時、原初の女神アマルが降臨す。
これが、死の冠に纏わる伝説だが未だかつて、死の冠を被った物は居ない」
とリーベンヌはムーアックに答えた。
「アマルって、史上初めて音戦士となり当時この地を支配していたという魔物達を討ち果たしたという話だよな?
言って見れば俺達の味方になるんじゃないか?」
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