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「確かにそうだが、アマルの力・・・則ち、死の冠を分割して封印した理由を記す記録は何一つ残って無い。
そして、ドニントンの世界の者は死の冠を被る事すら出来ないとされている」
とリーベンヌが言った時、三人は顔を見合わせた。
「そういう事だったんですね。
ギルダートが転移の魔具を手に入れたのも、死の冠・・・デスティアラを手に入れる為。
そして、勇二さんがこの城でギルダートの狙いは、依り代と言ってましたが、つまりはデスティアラを人間に被せて、アマルの復活を企んでいるという・・・」
「しかし、アマルは我々の敵では無い筈です、姫」
とムーアックはミイフーヌに答えた。
「・・・敵で無いとは言い切れ無いですわ。
先程、リーベンヌ殿が言った様に我々の味方であるならば死の冠をわざわざ人間界とドニントンに分割して封印する事も無かったでしょうし、それにギルダートが我々の助けとなる事を、禁忌の造魔精製を行って迄する必要はないでしょうから。
これは調べる必要がありますね」
とミイフーヌは二人に告げた。
「しかし、姫・・・もう死の冠やアマルについての記録は無いのですよ」
とリーベンヌはミイフーヌに尋ねた。
「お忘れですかリーベンヌ殿?
王位を継ぐ者は古代図書館へ無条件にアクセス出来ると言う事を。
そして、王位以外でアクセス出来るのはやはり、最高書士の一人のみ・・・ギルダートも150年前は最高書士に就いていた」
「・・・そうでした。
確かに姫が言われる通りですね」
とリーベンヌはミイフーヌに答えた。
ミイフーヌは二人を見据え
「私はすぐに古代図書館へと向かいます。
ムーアック殿は巡回範囲の拡大の手筈をお願いします。
リーベンヌ殿はロクサーヌ様と共に勇二さんや、音戦士スクリームの方に、この状況を伝える準備をお願いします」
「御意」
とリーベンヌとムーアックはミイフーヌに拝礼して、王の間を出て行った。
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