第一楽章 黒猫の物語

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僕の名前はアダム。 頭から鍵しっぽの先まで漆黒の体が僕の自慢。 僕は御主人と2人暮らし。 御主人がお出かけしちゃった時は寂しいけれど、帰ってきたらその分甘えるんだ。 僕が体をすり寄せると、頭や体をたくさん撫でてくれる。 僕はその手が好き。 「アダム大好き!ずっと一緒にいようね。」 そう囁く声が好き。 僕が布団の中に潜り込むと、そのまま一緒に寝てくれる。 その時の香りが好き。 怒られた時は恐いけれど、それら全部含めて僕は御主人が大好きなんだ。 なのにどうして…? ある日を境に、御主人は家に帰ってこなくなった。 僕を1匹残したまま。 だから僕は家を飛び出して、捜しに出た。
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