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彼とはすぐ打ち解けた。
「どこに住んでるの?」
「僕はずっと遠く…」
「遠く!?」
「うん。遥香は?」
「近くだよ。自転車で10分くらい。」
「そうなんだ。」
私はできるだけ、落ち込んでいる気持ちを抑え彼方に明るく接した。
でも、彼方は私の本当の気持ちに気付いてくれた。
「遥香、何かあった!?」
「えっ!?何にもないよ。」
「隠さなくていいよ。僕に何でも言って。」
「実はね…私失恋したの…」
「そっか…辛かったね…」
そう言って、彼方は私を強く抱きしめてくれた。
「彼方…」
「これ以上何にも言わなくていいよ。ただ、僕は遥香を傷つけた男を絶対に許さない。だから、僕は遥香を傷つけることは絶対にしないよ。」
そして、私はこの時彼方に恋をした。
「遥香、もう大丈夫!?」
「うんっ。」
「良かった。」
そう言って、彼方は笑ってくれた。
この時、お礼を言っていれば…
「遥香、もうそろそろ戻んなきゃ。しばらく会えなくなるけど、元気でね。」
「しばらく会えない!?」
「うん…でも来年の桜の舞う季節の今日の日付4月1日に必ずここで待っているから。約束だよ。」
「うん。じゃあ、またね。」
「じゃあね。」
そう言って彼方は去っていってしまった。
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