第1話「幼なじみは美少女」

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次の日から美空が起こしにくることは本当になくなった。 美空は朝早くから学校に行くから、遅刻ギリギリの俺が一緒に登校することもない。 早起きすればいいことなのだが、俺には無理だ。 自分でもどうしようもないほどだらしがない。 それが俺。 美空は学級委員長になった。 初めてみた奴にもわかるのだろう。美空は優等生オーラに満ちている。 一方俺は交通安全委員。 信号くらい守れるさ。 遅刻ギリギリでもな。 この間帰りに美空を見かけたので一緒に帰ろうとしたら断られた。 「誰かに見られて誤解されたら困るし……」 なんか聞いたことのあるセリフだ。 くそう。佐々木みたいな奴がいるからこんなセリフが生まれるに違いない。 帰る家はほとんど同じなのに…… 校庭の桜の木の下を通りながら、佐々木が言ったつまらないことを思いだした。 「……ありえないよなぁ」 独り言とは、我ながら情けないと思った。
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