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「やっぱり圭介に頼むのは不安だわ」
美空が眉間に少しシワを寄せて言う。
「なんだなんだまったく」
部屋には明かりがついていない。窓の外から美空の部屋の明かりが入ってくる。
「実は学校に宿題忘れちゃったの。明日までのやつ」
「宿題? そんなんちょっとくらい遅れても大丈夫だよ」
俺だってやってないんだから。
「いやよぉ。英語の先生怖そうなんだもの」
美空は変に真面目なところがある。
「俺も一緒に怒られてやるから。安心して寝ろ」
だいたい美空みたいな美少女を本気で叱るやつなんかそうはいないんだ。
「あんまりカッコ良くないわよそれ」
……返す言葉がないなこれは。
「今から取りに行ってもやるヒマないだろ。諦めろ」
俺はベッドに潜る。
夜中に二人で面と向かうのはなんとなく気が引けた。
「圭介。今何時だと思ってんの」
「夜だろ夜」
よい子は寝る時間ですよ。
「そうね。夜の8時だわ」
……なんだって?
「なんであんたはもう寝てるの?」
「……明日寝坊しないためにだなぁ」
正直自分でもわからん。
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