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「おいおい」
泣いても可愛いけれど……なんて言ってる場合じゃないな。
「う……だって」
美空はうつむいてしまった。
「あたしは……ヤだもん」
……そうか。
美空は優等生だけど、それ以上に素直な奴だったんだ。
俺みたいに宿題サボって怒られようが遅刻しようが気にしない奴とは違うんだ。
もしかしたら先生に怒られたことすらないのかもしれない。
「……わかったよ。泣くなって」
「な……泣くわけないでしょ!」
美空は顔を上げた。
「って……何してんのよ」
「え?」
何ってあんた、俺は柵を乗り越えているんだよ。
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