第2話「学校の警備は手薄」

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たいした高さではないから俺でも簡単に乗り越えることができた。 「美空は先に帰ってろ。こんなところに一人でいたら危ないからな」 「ちょっと!」 「大丈夫大丈夫。ところで宿題ってどんなのだっけ?」 あいにくやる気がなかったので覚えていないのだ。 「……ちょっと待って」 美空が近づいてくる。 もしかして柵越しに別れのキスでもしてくれるのだろうか。 なんて都合のいいことを考えていると、美空まで柵を乗り越え始めた。 「おいおい」 しかも俺より身のこなしが軽いような。 「よっと」 キレイに俺のよこに着地した。 残念ながら美空はジーパンに着替えていたからイイものは見れなかったが、家に帰ったらちゃんと制服から着替えるあたりも真面目だ。 一方の俺は制服のまま。 というか制服のまま寝ていた。 正直自分でもわけがわからない。
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