第2話「学校の警備は手薄」

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「こんな夜中に一人で帰るほうが危ないでしょ」 「バレたら怒られるぞ」 「あんただけ怒られるよりましよ。宿題忘れたのは私だもん」 おお。 やっぱりいい子だよ、美空は。 こんな子が幼なじみでよかった。神様本当にありがとう。 「ほら、見られないうちに行くよ」 俺が幸せに浸る間もなく美空はつかつか歩いていってしまった。 本当は不安なはずなのに。 強がってるのが俺にはわかるぞ。 俺だってお前の幼なじみなんだからな。 美空は一直線に職員玄関へ歩いていった。 普通はそこだって閉まっていると思うが、なんとなく言わないでおいた。 奔走する美空も可愛い。 そんな思いに勝てる俺ではないのだ。
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