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体が重い。
いや、正確には体の上の何かが重い。
「お、重い……」
絞り出すように声をあげ、俺は少しずつ覚醒していった。
もぞもぞと布団から出ようとするが、どういうわけかうまくいかない。
何かに押さえつけられているせいだ。
目もなかなか開かない。
これは目やにのせいだ。
それでもなんとか顔をあげると
「誰が重いって?」
布団の上に、美少女がいた。
覆い被さるようにして、俺と目を合わせている。
整った顔立ちに、俺を見つめるパッチリした目。ずいぶん見覚えのある美少女が、俺に馬乗りになっている。
「誰が重いって?」
「あ……。まぶたが」
重いんです。
俺はもう一度寝ることにした。
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