「日常」という名の「非日常」

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「先生っ、どうしたんですか?そんな高笑いなんかして?」 ガラガラッ。 あれ、帰ったんじゃなかったのか? 「まだ、帰ってなかったのか?」 人間、疑問という欲求には勝てないものだ。 逢坂君が入ってすぐ、半分無意識に疑問を発していた。 「さっきまで、爆弾の処理に行ってたんですよ。それに、荷物はこの部屋に置いてあるんですから、戻って来るのは当たり前です」 そうか、その事を失念していた。 にしても、爆弾の処理が終わって気持ちが落ち着いたのか、口調が元に戻っている。 逢坂君は、大阪出身で、普段は標準語だが、キレた時限定で関西弁になる。 元々が綺麗な顔だけあって、迫力が半端ない。 仕事一筋の人間なのが勿体無いくらい美人なのに。 「先生、さっきの高笑いは今後しないでくださいね。鳥肌が立ったじゃないですか」 あと、毒舌なのも、モテない原因か。 「す、少し自分でもし過ぎだったと反省している。だが、後悔はしていない」 「そうですか。……念のために言っておきますが、もうこの様な事件を起こさないでください」 い、一瞬逢坂君の後ろに鬼が見えた。 「あ、あぁ。善処する」 「では……、さよなら」 最後にこっちを睨んでから、ドアを開け、帰っていった。 やはり、逢坂君は少し苦手だ。 会ったばかりの半年間が懐かしい。 ほんと、純粋で良い娘だったのに。 逢坂が、あれだけ変わってしまったのは、自分が失望させたからだと気付いていないアホが一人、研究室に取り残された。  
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