「日常」という名の「非日常」

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自分は面倒くさがりだ。 大学の教授なんてちょっと立派な仕事をしているのも、就職先を探すのが面倒だったから。 今のご時世、就職したくても出来ないからな。 そんな自分でも、少し人に自慢出来ることがある。 それは、何億年も前に落ちた隕石から、ある“モノ”を発見したこと。 しかし、隕石のこと事態はトップシークレット。 だから、世間一般ではこちらの方が有名だ。 〈オゾン層生成初の成功〉 勿論これは“モノ”を使って生成するため、敢えて論文は難解なものにしている。 逢坂君はそれを2年かけて理解したらしい。 つくづく天才なんだと思った。 まぁ、そんな凄い“モノ”を、ほんの少し爆弾の中に仕込んだのだ。 量はスポイト一滴分だが、威力は原爆の1.5倍から3倍にまで膨れ上がってしまった。 流石に、ヤバい、これ一つで四国が消える、と思った自分はそれを処理することに決めた。 逢坂君に取り上げられたのは、原爆の半分の威力の、名付けて、〈ダミー爆弾〉だ。 本命ではないとは言え、出来れば見つかりたくなかったな。 あれでも拳大にするのは大変だったんだ。 “モノ”に頼っていない分制作時間は倍近く掛かった。 はぁ、本当に残念だ。  
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