「日常」という名の「非日常」

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「先生、今すぐ、今すぐそれを処理して下さい。さもなくば、この私が誠心誠意を込めて破壊させていただきます」 と、言って自分の努力の結晶に手を延ばしてくる助教授。いや、“壁”。 自分から手放すなんてことをするはずもなく、“壁”の魔手から爆弾を守る為に、自然と手が天井に突き上げる形となる。 「先生っ、大学の教授でもあろう方が、こんな違法を犯していていいのですかっ」 そう言ってピョンピョン跳ねている助教授。 いやはや、言葉と仕草のギャップがおかしい。 「ハハハッ、手は届かないだろう?」 自分は190cmもある長身に対し、相手は160cmちょっと。 圧倒的な差が相手を苦しめる。 「今まで、君は自分の計画を56回も妨害してきた。今回は、今回こそは、この〈原爆の1.5倍の威力を持つ拳大の爆弾を作ってみよう〉計画を成功させるんだっ」 「その計画のせいで、まだ怪我人は先生と私の“たった”2人ですが、破壊された研究室は数知れず、それに誰も怖がって私に近づいて来なくなったではないですかっ」 と言いながら必死の形相で今度は自分を殴って来ようとする。 危ないじゃないか、と言いいつも綺麗に避けていく。 勿論相手はグーだ。  
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