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「逢坂(あいさか)君、キミはこの爆弾の制作中に幾度となく自分の邪魔をしてきだろ?」
自分が真面目に研究しないのにも訳がある。
と言って、逢坂から逃げていた足をとめる。
今の雰囲気に呑まれたのか、逢坂も足をとめ、こちらを見下ろす。
ちなみに、今逢坂は机の上にのって爆弾に腕を伸ばしている状態だ。
お互いが口をつぐんだことで、場が静寂に包まれる。
逢坂の腕が下がっていたのを確認して、自分の腕も下げることにする。
「………」
「…………………………」
沈黙が痛い。
人一人殺せそうな死線だ。
まぁ、ともかく危険は去ったと安堵しつつも、口を開く。
「それは、今、自分が“スランプ”というものに陥っているからだ!」
左手に“爆弾”、右手はビシッと逢坂を指差す。
決まった。とか思いながら逢坂を見てみると、
「……」
うけてない様子だった。
「何か問題でもあるのか?」
逢坂から放たれる何やら黒いオーラに気付かないふりをしつつ、惚けてみる。
「…………ふ…」
「…ふ?」
「ふざけるのも大概にしろやーーっ!!」
キレてしまった。
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