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仕方なかった。
彼女を救う為だったのだ
何回も心で呟いた。
そのたびに涙が零れる。
悔しくて、悲しくて。
遡れば、12時間前。
俺は水没林に立っていた。
「ちょっと、ラリちゃんビビってんの~?」
「いや、別に。」
「可愛くないわね?ま、腕が確かならいいわ。」
「角折りは頼むゼ。」
他に三人連れて。
俺はラルゴ。
ロックラックの下位級のハンターだ。
星3に進む為に、ラギアクルスの狩猟に来た。
連れてる三人は上位級のハンター達だ。
ハンターランクは100は、越えるかなりの凄腕だ。
楽勝だ、と思っていた。
そして、ラギアクルスに遭遇した。
「ちょ、小さ!?」
「あらあら本当ね。」
「最小金冠は戴きだナ」
そのラギアクルスは本当に小さかった。
まるで子供の様だった。
俺も、飛龍刀[双火]を振って戦っていた。
が、ラギアクルスは抵抗しなかった。
いや、抵抗しきれていなかっただけかもしれない。
それを見ていると、胸が苦しくなった。
そして俺は攻撃を止めた。
他の連中は夢中で、俺が攻撃を止めた事に気付かなかった。
そしてラギアクルスは、必死で逃げ出した。
「ヒャハ!逃がさないぜ!!」
追いかけようとした奴らを見て、俺は思わず腰の閃光玉を投げ付けた。
ラギアクルスに当たらぬ様に、
奴らの目の前に。
そして俺は太刀を抜いた。
・・・今でも水没林の、エリア6に行く気は無い。
三体の焼け焦げた死体が浮いているから・・・。
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