海竜*ラァス

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「「あ・・・」」 二人の声が重なった。 「私の体が・・・」 彼女はそう呟いた。 余りに意味深で、単純な答えだった。 「やはり君は・・・」 「ラァスって呼んで」 少女・・・ラァスは、 そう言った。 「私にも名前があるの。ラァスって呼んでね。」 「あぁ、ラァス?あのさ・・・」 「あの・・・服をさ?」 「な、なあぁぁぁ!?」 彼女が自分の体を見て、顔を赤くした。 完全に動揺している 「このぉ、エロス!」 いきなり、勢いよく頭をひっばたかれた。 「痛ッ!!お前何すんだよッ!?」 「ふんッ!女の子の体を見ようとした変態が!」 確かに十代後半の綺麗な・・・おっと、マズい それどころじゃない。 「つーか、服を着てないお前も悪いだろ!?」 まるで中学生の様な会話を繰り広げていた。 「服!?そんなもの野性で必要ないでしょ!? だから着ないの!!」 「今は人間だろ!?服が必要なんだよ!!代わりになる様な物は無いのか?」 するとラァスは、 「鎧なら・・・」 と言った。 「鎧・・・?」 俺が聞くと、ラァスは、 「多分、あなたが、あの煙を使った所にある。」 ベッドのシーツで、身を包み、すっかり冷静に、なったラァスはそう言った。 「分かった、取って来るから待っててくれ。」 しばらく走ってラァスの姿がまだ見えると確認をして、 「ラァス~!!!」 俺は大声で叫んだ。 「俺はラルゴだ~!!」 まだ自分の名前も言っていなかった。 それ程に彼女と口論を、している時は夢中に なれた。 そして俺はラァスが、 手を振ってくれたのを 見て、走りだした。
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