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俺はせかせかと走って、水没林のエリア4、俺がモドリ玉を使った場所へ5分足らずで着いた。
そこには、大量のラギアクルスの素材が散乱していた。
「人間になった時に分断されたのか・・・?」
もったいないので鱗など必要そうな物は懐に入れ肝心の鎧を探していた。
するとカチャという
明らかに人工的な音が、
鳴った。
案の定、鎧があった。
「おいおい・・・いい鎧着てんなぁ~。」
自分のボルボ装備を軽く叩きながら、俺は自分に悪態をついた。
その後、俺は鎧を担いでベースキャンプへ帰った。
血の気が引いた。
ラァスの容態が悪化していた。
さっきは落ち着いていた為に、完全に油断した
自分を憎んだ。
即座にネコタクを呼んだ俺の対応は恐らく合っていた。
回復薬を飲ませたラァスは、ネコの貨車の上で、
揺られながら回復の色を見せつつあった。
安堵しつつ俺は彼女を、ずっと見ていた。
綺麗な髪、金髪を二つに結ってあり、貨車が、
揺れると共に揺れた。
黒く大きな目に、通った鼻筋、薄い桜色の唇、
形の良い胸・・・
おっといけない、完全に欲望に支配されかけた。
そんな内にロックラックの街に到着した。
俺は即座に彼女を病院に運んだ。
医師が言うには、かなり深刻だったらしい。
人間が負うレベルの傷は遥かに超越していた。
内臓破裂が二カ所、
肋と背中の骨にひびが、入っており刀傷も、体に刻まれていた。
正体不明の火傷がある、と聞かされた時、自分の胸が張り裂けそうになるのを、俺は感じた。
「ラァス・・・ゴメンな・・・。」
泣き崩れるしかできない俺をここまで惨めに
思った事は無かった。
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