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「お若いの。ワシの事も忘れんでのぅ。…賢い眼で、自分の歩で、世界のことわりを見聞するのじゃぞ。ホェホェ。」
オオクニヌシは、頭に手をかざした。
知識と詞が流れこんでくる。
「俺なんかの為に…ぁれ?声が出る。」
「長の力、無駄にしないでください。この村を千年もの長き時、見守り続けた御方ですから…」
「ツクヨミ…俺は…俺には何が出来る?何をすればいい?」
「先程、空観をしました。貴方が碑文石の前に立つのが観えました。しかし…」
「なんだ?碑文石に行けって事か?」
「私の易は、外れた事がありません。貴方のこの先は、大きなうねりの中で、一振りの刀を携えている事しかわかりません。」
「…お先真っ暗って事か………とにかく碑文石に行ってみるか。」
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