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目の前に膨大な水量を湛えた弥勒の滝が見えてきた。
辺り一面にしぶきを上げ小さな虹を幾つも作っていた。
「此処か…でかいな。上が見えねぇぞ。周りは森だらけだし、すげぇトコだな。」
「見上げてると首が痛くなっちゃうゎ。ほらっ。あそこが滝の裏に続く道よ。」
指差した方に目をやると、一際立派にそびえ立つ大きな樹がある。
その樹の影から一本の細い道が滝の方に続いていた。
「こっちだな。さっきから全身、髪の毛までピリピリしてる。なんだこの感覚は…」
「ふぅ。碑文石の観光に来て何かなるのかしら?さぁ、行くゎよ。」
「おぃおぃ。お前は口を開けば文句ばかりだな。そんな事じゃ嫁の貰い手がなくなるぞ。ハハハッ。」
「余計なお世話!!…早くおいで。ゥフッ。」
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